複数人が入居できる賃貸物件を実際に何人かで借りたいとき、連名契約と呼ばれる方法が少なからず利用されています。
誰かと住まいを共有したいときには役立つ方法なので、賃貸物件を借りる手段のひとつとして確認しておくと良いでしょう。
今回は、連名契約の意味や契約解除の方法を解説します。
賃貸物件の契約方法のひとつである連名契約の意味
連名契約は1軒の賃貸物件を何人かで借りたいとき、入居希望者の全員が連名で手続きをおこなう契約を意味し、連帯保証人も人数分必要になります。
契約の名義人が複数になるという意味で、共同名義ともしばしば呼ばれます。
連名契約のメリットは、日ごろの家賃や物件の修繕費などの支払いを巡って同居者同士で揉めにくいことです。
何か費用が発生したときは同居者全員に請求が来るので、支払いの割合や金額を自分たちで決める必要がなく、揉め事も起こりにくいのです。
また、友人や知人同士が代表者契約で1軒の賃貸物件に入居したい場合、トラブルを懸念して契約を断られることも少なくありません。
しかし連名契約なら同居者全員に責任が生じ、貸主にとっては比較的安心なので、入居が許可されやすいといった一面もあります。
逆に連名契約のデメリットは、入居する人数分の手続きが発生するために手間がかかることです。
このほか、同居者の誰かが退去すると再契約の手続きが必要になることもデメリットと言えます。
賃貸物件の連名契約において契約解除はどうすれば良い?
賃貸物件から退去したいときの手続きは単独で住まいを借りているときと同様に、契約解除の申告や所定の書類の提出などが必要になります。
退去希望日の直前に申し出ると違約金がかかる可能性もあるので、遅くとも1か月前までには申告しておくと良いでしょう。
また、誰かが退去する際には現在の連名契約をすべて解除し、居住を続ける方がいるなら再契約しなければなりません。
連名契約では契約書に同居者全員の名前が載っており、誰かが退去すると書面の内容と実態が食い違ってしまいます。
したがって、退去するメンバーが現れた場合、残りの同居者で連名契約を結び直す手続き手続きをおこない、入居審査も受け直さなければなりません。
なお、同居者が以前より減ったとしても家賃が安くなることはありません。
このように連名契約の解除は同居者全員に関わる手続きとなるので、退去したいときは同居者にも早めに伝えておくことが大切です。